2013年7月26日金曜日

67.三つの貴重なモノ

○老子の原文を道具として解釈したもの

 大き過ぎるものは認識できない。
 認識できないぐらい大きいのだ。
 認識できていたらすでに奪い合ってなくなっ
ている。
 それには三つの貴重なモノがあるからだ。
 一つは、育てる力。
 一つは、無駄をなくす力。
 一つは、退く力。
 育てるには勇気がいる。
 無駄がないから広まる。
 退くから継承できる。
 もし、育てず、無駄をし、退くこともなけ
れば滅ぶ。
 育てる力があればどんな困難にも立ち向か
え、守りとおせる。
 育てているものには誰も手出しができない。


○老子の読み下し文

 天下皆我が道を大にして不肖(ふしょう)に
似たりと言う。
 それただ大、故に不肖に似たり。
 もし肖(しょう)ならば、久しいかな、その
細たることや。
 我に三宝あり、持してこれを宝とす。
 一に、慈。
 二に、倹。
 三に、敢えて天下の先とならず。
 慈、故に能く勇なり。
 倹、故に能く広し。
 敢えて天下の先とならず、故に能く成器の
長たり。
 今、慈を舎(す)てて、まさに勇ならんとし、
倹を舎てて、まさに広からんとし、後を舎て
て、まさに先んぜんとすれば、死せん。
 それ慈は、以て戦えば則ち勝ち、以て守れ
ば則ち固し。
 天まさにこれを救わんとし、慈を以てこれ
を衛(まも)る。


○老子の原文

 天下皆謂我道大似不肖。
 夫唯大、故似不肖。
 若肖、久矣、其細也夫。
 我有三宝、持而宝之。
 一曰、慈。
 二曰、倹。
 三曰、不敢為天下先。
 慈故能勇。
 倹故能広。
 不敢為天下先、故能成器長。
 今舍慈且勇、舍倹且広、舍後且先、死矣。
 夫慈矣戦則勝、以守則固。
 天将救之、以慈衛之。

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