2013年6月5日水曜日

16.静観

○老子の原文を道具として解釈したもの

 虚を利用する。
 それは静まりかえって、動じない。
 自然は生みだし、死を与える。
 それは絶えず続いている。
 虚は死んだように動じないことだ。
 動じないから動いているものが分かる。
 動いているから存在が分かる。
 存在があるから、区別できる。
 存在に気づかなければ、災いを招く。
 存在を知っていれば、あらかじめ準備がで
きる。
 準備ができていれば落ち着く。
 落ち着いているから、正しく指図できる。
 正しい指図をすることで、すべてを把握で
きる。
 把握すれば、すべてを一つにまとめること
ができる。
 まとまれば、争いはなくなる。
 だから、安心して生きられる。


○老子の読み下し文

 虚を致すこと極まる。
 静を守ること篤(あつ)し。
 万物は並び作(おこ)れども、吾れは以て復
(かえ)るを観る。
 それ物の芸芸(うんうん)たれども、おのお
のその根に復帰す。
 根に帰るを静と言う。
 これを命に復ると言う。
 命に復るを常と言う。
 常を知るを明と言う。
 常を知らざれば、妄作(もうさ)して凶なり。
 常を知れば容(い)る。
 容るればすなわち公なり。
 公なればすなわち王なり。
 王たればすなわち天なり。
 天なればすなわち道なり。
 道なればすなわち久し。
 身を没するまで殆(あや)うからず。


○老子の原文

 到虚極。
 守静篤。
 万物並作、吾以観復。
 夫物芸芸、各復帰其根。
 帰根曰静。
 是謂復命。
 復命曰常。
 知常曰明。
 不知常、妄作凶。
 知常容。
 容乃公。
 公乃王。
 王乃天。
 天乃道。
 道乃久。
 没身不殆。

0 件のコメント:

コメントを投稿