2013年6月4日火曜日

15.無垢

○老子の原文を道具として解釈したもの

 道を極めた者は、理解されない。
 例えれば、
 氷った川を渡るように慎重。
 周りの敵を恐れるように用心深い。
 客のように礼儀正しい。
 氷が解けるように親しみ。
 木のように飾りけがない。
 谷のように何でも受け入れる。
 濁っているように、目立たない。
 濁っていてもその奥底は清らか。
 何もしていないようで、変化に対応してい
る。
 いつも決して満足しない。
 だから新しいことを見つけだす。


○老子の読み下し文

 古の善く道をなす者は、微妙玄通にして、
深きこと識るべからず。
 それただ識るべからず、故に強(し)いてこ
れが容をなす。
 豫(よ)として冬に川を渉(わた)るがごとし。
 猶(ゆう)として四隣(しりん)を畏(おそ)る
るがごとし。
 儼(げん)としてそれ客のごとし。
 渙(かん)として氷の将(まさ)に釈(と)けん
とするがごとし。
 孰(とん)としてそれ樸(ぼく)のごとし。
 曠(こう)としてそれ谷のごとし。
 混(こん)としてそれ濁れるがごとし。
 孰(だ)れか能(よ)く濁りて以てこれを静め
れば、徐(おもむ)ろに清し。
 孰れか能く安らかにして以てこれを動かし
て徐ろに生ぜん。
 この道を保つ者は、盈(み)つるを欲せず。
 それただ盈たず、故に能く敝(やぶ)れて新
たに成さず。


○老子の原文

 古之善為道者、微妙玄通、深不可識。
 夫唯不可識、故強為之容。
 豫兮若冬渉川。
 猶兮若畏四隣。
 儼兮其若客。
 渙兮若氷将釈。
 敦兮其若樸。
 曠兮其若谷。
 混兮其若濁。
 孰能濁以静之徐清。
 孰能安以動之徐生。
 保此道者、不欲盈。
 夫唯不盈、故能敝不新成。

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