2013年6月21日金曜日

32.奇正

○老子の原文を道具として解釈したもの

 誰にも認識されないものがある。
 そのままでは使えない。
 だが認識される方法さえ見つければ、大き
な力となる。
 自然はその方法を利用し、雨を降らせる。
 人も動かすことができる。
 やがて知られるようになる。
 広く知られると力を失う。
 力を失う前に離れることだ。
 雨も川や海に流れて役目を終える。


○老子の読み下し文

 道は常に無名なり。
 樸は小なりといえども、天下に能(よ)く臣
とすることなし。
 侯王若(も)し能くこれを守らば、万物はま
さに自ら賓(ひん)せんとす。
 天地相合して、以て甘露を降(くだ)す。
 民はこれに令する莫(な)くして自ら均(ひと)
す。
 始めて制して名有り。
 名もまた既に有れば、それまたまさに止ま
るを知らんとす。
 止まるを知らば、殆うからざる所以なり。
 道の天下に在るを譬(たと)えれば、なお川
谷(せんこく)の江海(こうかい)に於(お)ける
がごとし。


○老子の原文

 道常無名。
 樸雖小、天下莫能臣也。
 侯王若能守之、万物将自賓。
 天地相合、以降甘露。
 民莫之令而自均。
 始制有名。
 名亦既有、夫亦将知止。
 知止所以不殆。
 譬道之在天下、猶川谷之於江海。

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