○老子の原文を道具として解釈したもの
誰にも認識されないものがある。
そのままでは使えない。
だが認識される方法さえ見つければ、大き
な力となる。
自然はその方法を利用し、雨を降らせる。
人も動かすことができる。
やがて知られるようになる。
広く知られると力を失う。
力を失う前に離れることだ。
雨も川や海に流れて役目を終える。
○老子の読み下し文
道は常に無名なり。
樸は小なりといえども、天下に能(よ)く臣
とすることなし。
侯王若(も)し能くこれを守らば、万物はま
さに自ら賓(ひん)せんとす。
天地相合して、以て甘露を降(くだ)す。
民はこれに令する莫(な)くして自ら均(ひと)
す。
始めて制して名有り。
名もまた既に有れば、それまたまさに止ま
るを知らんとす。
止まるを知らば、殆うからざる所以なり。
道の天下に在るを譬(たと)えれば、なお川
谷(せんこく)の江海(こうかい)に於(お)ける
がごとし。
○老子の原文
道常無名。
樸雖小、天下莫能臣也。
侯王若能守之、万物将自賓。
天地相合、以降甘露。
民莫之令而自均。
始制有名。
名亦既有、夫亦将知止。
知止所以不殆。
譬道之在天下、猶川谷之於江海。
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