○老子の原文を道具として解釈したもの
道理が分かる者がいる。
道理を考える者がいる。
道理が理解できない者がいる。
すぐに理解できれば、すでに広まっている。
例えれば、
明る過ぎると見えにくい。
長い道は同じところにいるように感じる。
平らなところでは小さな凸も見つかる。
無欲になれば沢山あるように感じる。
白いものは汚れが目立つ。
高望みすれば不満が残る。
しっかりしていると失敗しやすい。
純粋過ぎると魔がさしやすい。
大きいと形が分からない。
願望が大きいと達成しづらい。
音が大き過ぎると音の区別ができない。
自然現象はいつ起きるか分からない。
道理はどこにでもあるから分からず、区別
できない。
ただ役に立ち、助けになるだけだ。
○老子の読み下し文
上士は道を聞けば、勤めてこれを行う。
中士は道を聞けば、存(あ)るがごとく、亡
きがごとし。
下士は道を聞けば、大いにこれを笑う。
笑わざれば、以て道となすに足らず。
故に建言(けんげん)これあり、
明道は昧(くら)きがごとし。
進道は退くがごとし。
夷道(いどう)は類なるがごとし。
上徳は谷のごとし。
太白は辱(じょく)なるがごとし。
広徳は足らざるがごとし。
建徳は偸(おこた)るがごとし。
質真は渝(かわ)るがごとし。
大方は隅(かど)なし。
大器は晩成す。
大音は希声なり。
大象は形なし 。
道は隠れて名なし。
それただ道は善く貸し且つ成す。
○老子の原文
上士聞道、勤而行之。
中士聞道、若存若亡。
下士聞道、大笑之。
不笑、不足以為道。
故建言有之、
明道若昧。
進道若退。
夷道若類。
上徳若谷。
太白若辱。
広徳若不足。
建徳若偸。
質真若渝。
大方無隅。
大器晩成。
大音希声。
大象無形。
道隠無名。
夫唯道善貸且成。
2013年6月30日日曜日
2013年6月29日土曜日
40.動かすきっかけ
○老子の原文を道具として解釈したもの
反発するものが行動の力になる。
弱いものはどんなことにも利用されやすい。
何事も目に見える事実により発動し、見え
ないところに真実はある。
○老子の読み下し文
反る者は道の動なり。
弱き者は道の用なり。
天下の万物は有より生じ、有は無より生ず。
○老子の原文
反者道之動。
弱者道之用。
天下万物生於有、有生於無。
反発するものが行動の力になる。
弱いものはどんなことにも利用されやすい。
何事も目に見える事実により発動し、見え
ないところに真実はある。
○老子の読み下し文
反る者は道の動なり。
弱き者は道の用なり。
天下の万物は有より生じ、有は無より生ず。
○老子の原文
反者道之動。
弱者道之用。
天下万物生於有、有生於無。
2013年6月28日金曜日
39.目のつけ所
○老子の原文を道具として解釈したもの
唯一の存在になったものがある。
天は唯一、光明があり。
地は唯一、陸をなしている。
精神は唯一、人に宿る。
谷は唯一、水をたたえる。
生命は唯一、生み出している。
唯一の存在になることで、尊ばれる。
もとはといえば、天は陰り、地は動き、精
神は狂い、谷は乾き、生命は絶え、尊ぶもの
はなかった。
混在した中から区別され、根底から積み上
げられた。
だから優れたものは低俗から現れる。
低俗を無視することはできない。
優れたものからは得ることができない。
完成されたものより、見捨てられたものに
目を向けよ。
○老子の読み下し文
昔の一を得る者。
天は一を得て以て清く、地は一を得て以て
寧(やす)く、神は一を得て以て霊に、谷は一
を得て以て盈ち、万物は一を得て以て生じ、
侯王は一を得て以て天下の貞となる。
そのこれを致せば、天は以て清きことなく
ば、まさに裂けるを恐れんとし、地は以て寧
きことなくば、まさに発(うご)くを恐れんと
し、神は以て霊なることなくば、まさに歇(や)
むを恐れんとし、谷は以て盈つることなくば、
まさに竭(つ)くることを恐れんとし、万物は
以て生ずることなくば、まさに滅ぶを恐れん
とし、侯王は以て貴高なることなくば、まさ
に蹶(たお)るるを恐れんとす。
故に貴きは賤(いや)しきを以て本(もと)と
なし、高きは下(ひく)きを以て基(もとい)と
なす。
ここを以て侯王は自ら孤、寡(か)、不穀と
言う。
これ賤しきを以て本となすに非ざるや、非
ざるか。
故に数々(しばしば)の誉れを致せば、誉れ
なし。
ろくろくとして玉の如きを欲せず、珞珞と
して石の如し。
○老子の原文
昔之得一者。
天得一以清、
地得一以寧、
神得一以霊、
谷得一以盈、
万物得一以生、
侯王得一以為天下貞。
其到之、
天無以清、将恐裂、
地無以寧、将恐発、
神無以霊、将恐歇、
谷無以盈、将恐竭、
万物無以生、将恐滅、
侯王無以貴高、将恐蹶。
故貴以賤為本、高以下為基。
是以侯王自謂孤寡不穀。
此非以賤為本邪、非乎。
故到数誉無誉。
不欲ロクロク如玉、珞珞如石。
唯一の存在になったものがある。
天は唯一、光明があり。
地は唯一、陸をなしている。
精神は唯一、人に宿る。
谷は唯一、水をたたえる。
生命は唯一、生み出している。
唯一の存在になることで、尊ばれる。
もとはといえば、天は陰り、地は動き、精
神は狂い、谷は乾き、生命は絶え、尊ぶもの
はなかった。
混在した中から区別され、根底から積み上
げられた。
だから優れたものは低俗から現れる。
低俗を無視することはできない。
優れたものからは得ることができない。
完成されたものより、見捨てられたものに
目を向けよ。
○老子の読み下し文
昔の一を得る者。
天は一を得て以て清く、地は一を得て以て
寧(やす)く、神は一を得て以て霊に、谷は一
を得て以て盈ち、万物は一を得て以て生じ、
侯王は一を得て以て天下の貞となる。
そのこれを致せば、天は以て清きことなく
ば、まさに裂けるを恐れんとし、地は以て寧
きことなくば、まさに発(うご)くを恐れんと
し、神は以て霊なることなくば、まさに歇(や)
むを恐れんとし、谷は以て盈つることなくば、
まさに竭(つ)くることを恐れんとし、万物は
以て生ずることなくば、まさに滅ぶを恐れん
とし、侯王は以て貴高なることなくば、まさ
に蹶(たお)るるを恐れんとす。
故に貴きは賤(いや)しきを以て本(もと)と
なし、高きは下(ひく)きを以て基(もとい)と
なす。
ここを以て侯王は自ら孤、寡(か)、不穀と
言う。
これ賤しきを以て本となすに非ざるや、非
ざるか。
故に数々(しばしば)の誉れを致せば、誉れ
なし。
ろくろくとして玉の如きを欲せず、珞珞と
して石の如し。
○老子の原文
昔之得一者。
天得一以清、
地得一以寧、
神得一以霊、
谷得一以盈、
万物得一以生、
侯王得一以為天下貞。
其到之、
天無以清、将恐裂、
地無以寧、将恐発、
神無以霊、将恐歇、
谷無以盈、将恐竭、
万物無以生、将恐滅、
侯王無以貴高、将恐蹶。
故貴以賤為本、高以下為基。
是以侯王自謂孤寡不穀。
此非以賤為本邪、非乎。
故到数誉無誉。
不欲ロクロク如玉、珞珞如石。
2013年6月27日木曜日
38.対人関係
○老子の原文を道具として解釈したもの
親切過ぎると大きなお世話になる。
だからほどほどがよい。
下心があると疑い深くなる。
だから親切が嘘になる。
親切はとっさにする行為。
下心は考えた行為。
思いやりは気づいてする行為。
奉仕は自分のやれることをする行為。
しつけは人に強要する行為。
親切にできないなら思いやる。
思いやりができないなら奉仕をする。
奉仕ができないならしつけをする。
しつけもできないようならおしまいだ。
考えなければできないようでは、知恵も役
に立たない。
人と自分の感情を共にする。
内面をみがき外見にこだわらない。
見栄をはらず、素直になることだ。
○老子の読み下し文
上徳は徳とせず、ここを以て徳あり。
下徳は徳を失わざらんとして、ここを以て
徳なし。
上徳は無為にして、以てなすとするなし。
下徳はこれをなして、以てなすとするあり。
上仁はこれをなして、以てなすとするなし。
上義はこれをなして、以てなすとするあり。
上礼はこれをなして、これに応ずる莫(な)
ければ、すなわち臂(ひじ)を攘(はら)ってこ
れにつく。
故に道を失いて、後に徳あり。
徳を失いて、後に仁あり。
仁を失いて、後に義あり。
義を失いて、後に礼あり。
それ礼なる者は、忠信の薄きにして、乱の
首なり。
前識なる者は、道の華にして、愚の始めな
り。
ここを以て大丈夫は、その厚きに処りて、
その薄きに居らず。
その実に処りて、その華に居らず。
故に彼れを去(す)ててこれを取る。
○老子の原文
上徳不徳、是以有徳。
下徳不失徳、是以無徳。
上徳無為、而無以為。
下徳為之、而有以為。
上仁為之、而無以為。
上義為之、而有以為。
上礼為之、而莫之応、則攘臂而ツ之。
故失道而後徳。
失徳而後仁。
失仁而後義。
失義而後礼。
夫礼者忠信之簿、而乱之首。
前識者道之華、而愚之始。
是以大丈夫処其厚、不居其簿。
処其実、不居其華。
故去彼取此。
親切過ぎると大きなお世話になる。
だからほどほどがよい。
下心があると疑い深くなる。
だから親切が嘘になる。
親切はとっさにする行為。
下心は考えた行為。
思いやりは気づいてする行為。
奉仕は自分のやれることをする行為。
しつけは人に強要する行為。
親切にできないなら思いやる。
思いやりができないなら奉仕をする。
奉仕ができないならしつけをする。
しつけもできないようならおしまいだ。
考えなければできないようでは、知恵も役
に立たない。
人と自分の感情を共にする。
内面をみがき外見にこだわらない。
見栄をはらず、素直になることだ。
○老子の読み下し文
上徳は徳とせず、ここを以て徳あり。
下徳は徳を失わざらんとして、ここを以て
徳なし。
上徳は無為にして、以てなすとするなし。
下徳はこれをなして、以てなすとするあり。
上仁はこれをなして、以てなすとするなし。
上義はこれをなして、以てなすとするあり。
上礼はこれをなして、これに応ずる莫(な)
ければ、すなわち臂(ひじ)を攘(はら)ってこ
れにつく。
故に道を失いて、後に徳あり。
徳を失いて、後に仁あり。
仁を失いて、後に義あり。
義を失いて、後に礼あり。
それ礼なる者は、忠信の薄きにして、乱の
首なり。
前識なる者は、道の華にして、愚の始めな
り。
ここを以て大丈夫は、その厚きに処りて、
その薄きに居らず。
その実に処りて、その華に居らず。
故に彼れを去(す)ててこれを取る。
○老子の原文
上徳不徳、是以有徳。
下徳不失徳、是以無徳。
上徳無為、而無以為。
下徳為之、而有以為。
上仁為之、而無以為。
上義為之、而有以為。
上礼為之、而莫之応、則攘臂而ツ之。
故失道而後徳。
失徳而後仁。
失仁而後義。
失義而後礼。
夫礼者忠信之簿、而乱之首。
前識者道之華、而愚之始。
是以大丈夫処其厚、不居其簿。
処其実、不居其華。
故去彼取此。
2013年6月26日水曜日
37.独占
○老子の原文を道具として解釈したもの
自然がやれることは無限だ。
人は自然を利用しているにすぎない。
人の考えたものは自然の中にすでにある。
自然はそれを独り占めにはしない。
独り占めにしなければ、支持される。
○老子の読み下し文
道は常に無為にして、しかもなさざるはな
し。
侯王もし能くこれを守らば、万物はまさに
自ら化せんとす。
化して作(な)らんと欲すれば、吾れまさに
これを鎮むるに無名の樸を以てせんとす。
無名の樸は、それまさに無欲ならんとす。
欲せずして以て静ならば、天下まさに自ら
定まらんとす。
○老子の原文
道常無為、而無不為。
侯王若能守之、万物将自化。
化而欲作、吾将鎮之以無名之樸。
無名之樸、夫亦将無欲。
不欲以静、天下将自定。
自然がやれることは無限だ。
人は自然を利用しているにすぎない。
人の考えたものは自然の中にすでにある。
自然はそれを独り占めにはしない。
独り占めにしなければ、支持される。
○老子の読み下し文
道は常に無為にして、しかもなさざるはな
し。
侯王もし能くこれを守らば、万物はまさに
自ら化せんとす。
化して作(な)らんと欲すれば、吾れまさに
これを鎮むるに無名の樸を以てせんとす。
無名の樸は、それまさに無欲ならんとす。
欲せずして以て静ならば、天下まさに自ら
定まらんとす。
○老子の原文
道常無為、而無不為。
侯王若能守之、万物将自化。
化而欲作、吾将鎮之以無名之樸。
無名之樸、夫亦将無欲。
不欲以静、天下将自定。
2013年6月25日火曜日
36.加減
○老子の原文を道具として解釈したもの
伸ばし過ぎると切れる。
強過ぎると油断する。
盛況になり過ぎると廃れる。
与え過ぎると奪われる。
欲は出さないことだ。
ほどほどだから優れているのだ。
魚は水から出ようとはしない。
人は知恵や道具を使い過ぎてはいけない。
○老子の読み下し文
まさにこれを歙(ちぢ)めんと欲すれば、必
ず固(しばら)くこれを張る。
まさにこれを弱くせんと欲すれば、必ず固
くこれを強くする。
まさにこれを廃せんと欲すれば、必ず固く
興こす。
まさにこれを奪わんと欲すれば、必ず固く
これを与えよ。
それを微明(びめい)と言う。
柔弱は剛強に勝る。
魚は淵より脱すべからず。
国の利器は、以て人に示すべからず。
○老子の原文
将欲歙之、必固張之。
将欲弱之、必固強之。
将欲廃之、必固興之。
将欲奪之、必固与之。
是謂微明。
柔弱勝剛強。
魚不可脱於淵。
国之利器、不可以示人。
伸ばし過ぎると切れる。
強過ぎると油断する。
盛況になり過ぎると廃れる。
与え過ぎると奪われる。
欲は出さないことだ。
ほどほどだから優れているのだ。
魚は水から出ようとはしない。
人は知恵や道具を使い過ぎてはいけない。
○老子の読み下し文
まさにこれを歙(ちぢ)めんと欲すれば、必
ず固(しばら)くこれを張る。
まさにこれを弱くせんと欲すれば、必ず固
くこれを強くする。
まさにこれを廃せんと欲すれば、必ず固く
興こす。
まさにこれを奪わんと欲すれば、必ず固く
これを与えよ。
それを微明(びめい)と言う。
柔弱は剛強に勝る。
魚は淵より脱すべからず。
国の利器は、以て人に示すべからず。
○老子の原文
将欲歙之、必固張之。
将欲弱之、必固強之。
将欲廃之、必固興之。
将欲奪之、必固与之。
是謂微明。
柔弱勝剛強。
魚不可脱於淵。
国之利器、不可以示人。
2013年6月24日月曜日
35.有欲
○老子の原文を道具として解釈したもの
自然を手本にすれば安泰だ。
楽しむこと食べることに人は集まる。
ただし、過度にしてはいけない。
見せ過ぎては見飽きる。
聞き過ぎては聞き飽きる。
ほどほどだから廃れないのだ。
○老子の読み下し文
大象(だいしょう)を執(と)りて天下は往(ゆ)
き、往きて害あらず、安平大なり。
楽と餌とは、過客も止まる。
道の言に出ずるは、淡としてそれ味わいな
し。
これを視るも見るに足らず。
これを聴くも聞くに足らず。
これを用いても既(つく)すべからず。
○老子の原文
執大象天下往、往而不害、安平大。
楽与餌過客止。
道之出言、淡乎其無味。
視之不足見。
聴之不足聞。
用之不可既。
自然を手本にすれば安泰だ。
楽しむこと食べることに人は集まる。
ただし、過度にしてはいけない。
見せ過ぎては見飽きる。
聞き過ぎては聞き飽きる。
ほどほどだから廃れないのだ。
○老子の読み下し文
大象(だいしょう)を執(と)りて天下は往(ゆ)
き、往きて害あらず、安平大なり。
楽と餌とは、過客も止まる。
道の言に出ずるは、淡としてそれ味わいな
し。
これを視るも見るに足らず。
これを聴くも聞くに足らず。
これを用いても既(つく)すべからず。
○老子の原文
執大象天下往、往而不害、安平大。
楽与餌過客止。
道之出言、淡乎其無味。
視之不足見。
聴之不足聞。
用之不可既。
2013年6月23日日曜日
34.受け身
○老子の原文を道具として解釈したもの
自然に善悪の判断はない。
どちらも生まれたもので区別しない。
だからどれが良いとは言えない。
どちらかに誘導しようともしない。
関心さえない。
いずれは両方から得ることができる。
自分から行動しないほうがいい。
そのほうが得るものがある。
○老子の読み下し文
大道は氾(はん)として、それ左右すべし。
万物はこれを恃(たの)みて生ずるも辞せず。
功成るも名を有せず。
万物を衣養するも、主とならず。
常に無欲なれば、小と名づくべし。
万物これに帰するも、主とならざれば、大
と名づくべし。
ここを以て聖人は、終(つい)に自ら大とな
さず。
故に能くその大を成す。
○老子の原文
大道氾兮、其可左右。
万物恃之而生而不辞、功成而不名有。
衣養万物、而不為主。
常無欲、可名於小。
万物帰焉、而不為主、可名為大。
是以聖人、終不自為大。
故能成其大。
自然に善悪の判断はない。
どちらも生まれたもので区別しない。
だからどれが良いとは言えない。
どちらかに誘導しようともしない。
関心さえない。
いずれは両方から得ることができる。
自分から行動しないほうがいい。
そのほうが得るものがある。
○老子の読み下し文
大道は氾(はん)として、それ左右すべし。
万物はこれを恃(たの)みて生ずるも辞せず。
功成るも名を有せず。
万物を衣養するも、主とならず。
常に無欲なれば、小と名づくべし。
万物これに帰するも、主とならざれば、大
と名づくべし。
ここを以て聖人は、終(つい)に自ら大とな
さず。
故に能くその大を成す。
○老子の原文
大道氾兮、其可左右。
万物恃之而生而不辞、功成而不名有。
衣養万物、而不為主。
常無欲、可名於小。
万物帰焉、而不為主、可名為大。
是以聖人、終不自為大。
故能成其大。
2013年6月22日土曜日
33.役目
○老子の原文を道具として解釈したもの
人の行動を知る。
そうすれば自分のやるべきことが分かる。
人のやらないことをする。
そうすれば自分のほうが優る。
優っていれば豊かにできる。
周りを豊かにすれば幸福になる。
自分の役割を守っていれば、重宝される。
重宝された記憶は後世に伝えられる。
○老子の読み下し文
人を知る者は智なり。
自ら知る者は明なり。
人に勝つ者は力有り。
自ら勝つ者は強し。
足るを知る者は富む。
強いて行うものは志有り。
その所を失わざる者は久し。
死しても亡びざる者は寿(いのちなが)し。
○老子の原文
知人者智。
自知者明。
勝人者有力。
自勝者強。
知足者富。
強行者有志。
不失其所者久。
死自不亡者寿。
人の行動を知る。
そうすれば自分のやるべきことが分かる。
人のやらないことをする。
そうすれば自分のほうが優る。
優っていれば豊かにできる。
周りを豊かにすれば幸福になる。
自分の役割を守っていれば、重宝される。
重宝された記憶は後世に伝えられる。
○老子の読み下し文
人を知る者は智なり。
自ら知る者は明なり。
人に勝つ者は力有り。
自ら勝つ者は強し。
足るを知る者は富む。
強いて行うものは志有り。
その所を失わざる者は久し。
死しても亡びざる者は寿(いのちなが)し。
○老子の原文
知人者智。
自知者明。
勝人者有力。
自勝者強。
知足者富。
強行者有志。
不失其所者久。
死自不亡者寿。
2013年6月21日金曜日
32.奇正
○老子の原文を道具として解釈したもの
誰にも認識されないものがある。
そのままでは使えない。
だが認識される方法さえ見つければ、大き
な力となる。
自然はその方法を利用し、雨を降らせる。
人も動かすことができる。
やがて知られるようになる。
広く知られると力を失う。
力を失う前に離れることだ。
雨も川や海に流れて役目を終える。
○老子の読み下し文
道は常に無名なり。
樸は小なりといえども、天下に能(よ)く臣
とすることなし。
侯王若(も)し能くこれを守らば、万物はま
さに自ら賓(ひん)せんとす。
天地相合して、以て甘露を降(くだ)す。
民はこれに令する莫(な)くして自ら均(ひと)
す。
始めて制して名有り。
名もまた既に有れば、それまたまさに止ま
るを知らんとす。
止まるを知らば、殆うからざる所以なり。
道の天下に在るを譬(たと)えれば、なお川
谷(せんこく)の江海(こうかい)に於(お)ける
がごとし。
○老子の原文
道常無名。
樸雖小、天下莫能臣也。
侯王若能守之、万物将自賓。
天地相合、以降甘露。
民莫之令而自均。
始制有名。
名亦既有、夫亦将知止。
知止所以不殆。
譬道之在天下、猶川谷之於江海。
誰にも認識されないものがある。
そのままでは使えない。
だが認識される方法さえ見つければ、大き
な力となる。
自然はその方法を利用し、雨を降らせる。
人も動かすことができる。
やがて知られるようになる。
広く知られると力を失う。
力を失う前に離れることだ。
雨も川や海に流れて役目を終える。
○老子の読み下し文
道は常に無名なり。
樸は小なりといえども、天下に能(よ)く臣
とすることなし。
侯王若(も)し能くこれを守らば、万物はま
さに自ら賓(ひん)せんとす。
天地相合して、以て甘露を降(くだ)す。
民はこれに令する莫(な)くして自ら均(ひと)
す。
始めて制して名有り。
名もまた既に有れば、それまたまさに止ま
るを知らんとす。
止まるを知らば、殆うからざる所以なり。
道の天下に在るを譬(たと)えれば、なお川
谷(せんこく)の江海(こうかい)に於(お)ける
がごとし。
○老子の原文
道常無名。
樸雖小、天下莫能臣也。
侯王若能守之、万物将自賓。
天地相合、以降甘露。
民莫之令而自均。
始制有名。
名亦既有、夫亦将知止。
知止所以不殆。
譬道之在天下、猶川谷之於江海。
2013年6月20日木曜日
31.諸刃の刃
○老子の原文を道具として解釈したもの
武器は緊急時に使う道具。
扱いにくいものだ。
普通の感情では使えない。
人は普通、左手は補助にし、右手で道具を
使う。
武器は補助する手で使うような道具。
まれにしか使えない。
運良く使えても、誰にも使っているところ
を見せられない。
もし見られると破滅する。
これが知られると、それと同じ災いが自分
にふりかかるからだ。
普段から左手は使わず、右手だけを使うよ
うにする。
左側に道具は置かず、右側に道具を置く。
いつも普段と変わらないようにする。
いざとなったら親しい者を裏切ることにな
るからだ。
武器を使い終われば、何事もなかったよう
に振舞う。
○老子の読み下し文
それ兵は不祥(ふしょう)の器なり。
物或いはこれを悪(にく)む。
故に有道者は処(お)らず。
君子、居ればすなわち左を貴び、兵を用う
ればすなわち右を貴ぶ。
兵は不祥の器にして、君子の器に非(あら)
ず。
やむを得ずしてこれを用う。
恬淡(てんたん)を上となし、勝ちても美と
せず。
もしこれを美とする者あらば、それ人を殺
すを楽しむなり。
これ人を殺すを楽しむ者は、すなわち以て
志を天下に得べからず。
吉事は左を尚(たっと)び、凶事には右を尚
ぶ。
偏将軍は左に居り、上将軍は右に居る。
喪礼を以てこれに処るを言うなり。
人を殺すこと衆(おお)ければ、悲哀を以て
これに泣(のぞ)む。
戦い勝てば、喪礼を以てこれに処る。
○老子の原文
夫兵者不祥之器。
物或悪之。
故有道者不処。
君子居則貴左、用兵則貴右。
兵者不祥之器、非君子之器。
不得已而用之。
恬淡為上、勝而不美。
而美之者、是楽殺人。
夫楽殺人者、則不可以得志於天下矣。
吉事尚左、凶事尚右。
偏将軍居左、上将軍居右。
言以喪礼処之。
殺人之衆、以悲哀泣之。
戦勝以喪礼処之。
武器は緊急時に使う道具。
扱いにくいものだ。
普通の感情では使えない。
人は普通、左手は補助にし、右手で道具を
使う。
武器は補助する手で使うような道具。
まれにしか使えない。
運良く使えても、誰にも使っているところ
を見せられない。
もし見られると破滅する。
これが知られると、それと同じ災いが自分
にふりかかるからだ。
普段から左手は使わず、右手だけを使うよ
うにする。
左側に道具は置かず、右側に道具を置く。
いつも普段と変わらないようにする。
いざとなったら親しい者を裏切ることにな
るからだ。
武器を使い終われば、何事もなかったよう
に振舞う。
○老子の読み下し文
それ兵は不祥(ふしょう)の器なり。
物或いはこれを悪(にく)む。
故に有道者は処(お)らず。
君子、居ればすなわち左を貴び、兵を用う
ればすなわち右を貴ぶ。
兵は不祥の器にして、君子の器に非(あら)
ず。
やむを得ずしてこれを用う。
恬淡(てんたん)を上となし、勝ちても美と
せず。
もしこれを美とする者あらば、それ人を殺
すを楽しむなり。
これ人を殺すを楽しむ者は、すなわち以て
志を天下に得べからず。
吉事は左を尚(たっと)び、凶事には右を尚
ぶ。
偏将軍は左に居り、上将軍は右に居る。
喪礼を以てこれに処るを言うなり。
人を殺すこと衆(おお)ければ、悲哀を以て
これに泣(のぞ)む。
戦い勝てば、喪礼を以てこれに処る。
○老子の原文
夫兵者不祥之器。
物或悪之。
故有道者不処。
君子居則貴左、用兵則貴右。
兵者不祥之器、非君子之器。
不得已而用之。
恬淡為上、勝而不美。
而美之者、是楽殺人。
夫楽殺人者、則不可以得志於天下矣。
吉事尚左、凶事尚右。
偏将軍居左、上将軍居右。
言以喪礼処之。
殺人之衆、以悲哀泣之。
戦勝以喪礼処之。
2013年6月19日水曜日
30.手に余るモノ
○老子の原文を道具として解釈したもの
世の中は、争っても治まらない。
自然が治めているからだ。
争えば災いが自分にふりかかる。
自然に手に入るものだけでいい。
余分には取らない。
だから自慢するようなこともないし、恨ま
れることもない。
今は強くてもやがて衰え、持ちきれなくな
る。
すぐに手放すことになる。
○老子の読み下し文
道を以て人主を佐(たす)け、兵を以て天下
を強(し)いず。
その事は還(かえ)るを好む。
師の処(お)る所は、荊棘(けいきょく)ここ
に生じ、大軍の後は必ず凶年あり。
善くする者は果(か)つのみ。
以て強いるを取らず。
果ちて矜(ほこ)ることなく、果ちて伐(ほこ)
ることなく、果ちて驕(おご)ることなく、果
ちて已(や)むを得ずとし、果ちて強いること
なし。
物は壮なればすなわち老い、これを不道と
言う。
不道は早く已む。
○老子の原文
以道佐人主者、不以兵強天下。
其事好還。
師之所処、荊棘生焉、大軍之後、必有凶年。
善者果而已。
不敢以取強。
果而勿矜、果而勿伐、果而勿驕、
果而不得已、果而勿強。
物壮則老、是謂不道。
不道早已。
世の中は、争っても治まらない。
自然が治めているからだ。
争えば災いが自分にふりかかる。
自然に手に入るものだけでいい。
余分には取らない。
だから自慢するようなこともないし、恨ま
れることもない。
今は強くてもやがて衰え、持ちきれなくな
る。
すぐに手放すことになる。
○老子の読み下し文
道を以て人主を佐(たす)け、兵を以て天下
を強(し)いず。
その事は還(かえ)るを好む。
師の処(お)る所は、荊棘(けいきょく)ここ
に生じ、大軍の後は必ず凶年あり。
善くする者は果(か)つのみ。
以て強いるを取らず。
果ちて矜(ほこ)ることなく、果ちて伐(ほこ)
ることなく、果ちて驕(おご)ることなく、果
ちて已(や)むを得ずとし、果ちて強いること
なし。
物は壮なればすなわち老い、これを不道と
言う。
不道は早く已む。
○老子の原文
以道佐人主者、不以兵強天下。
其事好還。
師之所処、荊棘生焉、大軍之後、必有凶年。
善者果而已。
不敢以取強。
果而勿矜、果而勿伐、果而勿驕、
果而不得已、果而勿強。
物壮則老、是謂不道。
不道早已。
2013年6月18日火曜日
29.無駄な努力
○老子の原文を道具として解釈したもの
世の中を手に入れることはできない。
世の中は変化する器だ。
もろくてつかみどころがない。
世の中は矛盾だらけで、それらが一緒に存
在する。
世の中からは避けるようにすることだ。
○老子の読み下し文
まさに天下を取らんと欲してこれをなすは、
吾その得ざるを見るのみ。
天下は神器、なすべからず。
なす者はこれを敗り、執(と)る者はこれを
失う。
故に物は、あるいは行き、あるいいは随い、
あるいは歔(きょ)し、あるいは吹き、あるい
は強く、あるいは羸(よわ)く、あるいは培(や
しな)い、あるいは堕つ。
ここを以て聖人は、甚(じん)を去り、奢(しゃ)
を去り、泰(たい)を去る。
○老子の原文
将欲取天下而為之、吾見其不得已。
天下神器、不可為也。
為者敗之、執者失之。
故物或行或隨、或歔或吹、或強或羸、
或培或堕。
是以聖人去甚、去奢、去泰。
世の中を手に入れることはできない。
世の中は変化する器だ。
もろくてつかみどころがない。
世の中は矛盾だらけで、それらが一緒に存
在する。
世の中からは避けるようにすることだ。
○老子の読み下し文
まさに天下を取らんと欲してこれをなすは、
吾その得ざるを見るのみ。
天下は神器、なすべからず。
なす者はこれを敗り、執(と)る者はこれを
失う。
故に物は、あるいは行き、あるいいは随い、
あるいは歔(きょ)し、あるいは吹き、あるい
は強く、あるいは羸(よわ)く、あるいは培(や
しな)い、あるいは堕つ。
ここを以て聖人は、甚(じん)を去り、奢(しゃ)
を去り、泰(たい)を去る。
○老子の原文
将欲取天下而為之、吾見其不得已。
天下神器、不可為也。
為者敗之、執者失之。
故物或行或隨、或歔或吹、或強或羸、
或培或堕。
是以聖人去甚、去奢、去泰。
2013年6月17日月曜日
28.窪みに宿る
○老子の原文を道具として解釈したもの
基本は変えず、柔軟に対応する。
そうすれば発展できる。
生まれた時は弱々しいものだ。
盛んなものより、すたれたものに目を向け
る。
そうすれば絶えることはない。
過去は懐かしいものだ。
栄えても貧しさを忘れない。
そうすれば逃げたりしない。
利益は、なかったから得られたものだ。
知恵は無理なく利用する。
だから悩んだりしないのだ。
○老子の読み下し文
その雄を知りて、その雌を守れば、天下の
谿(たに)となる。
天下の谿となれば、常の徳は離れず。
嬰児に復帰す。
その白を知りて、その黒を守れば、天下の
式(のり)となる。
天下の式となれば、常の徳はたがわず。
無極に復帰す。
その栄を知りて、その辱を守れば、天下の
谷となる。
天下の谷となれば、常の徳はすなわち足り、
樸(ぼく)に復帰す。
樸は散ずれば、すなわち器となる。
聖人はこれを用いて、すなわち官の長とな
る。
故に大制は割かず。
○老子の原文
知其雄、守其雌、為天下谿。
為天下谿、常徳不離。
復帰於嬰児。
知其白、守其黒、為天下式。
為天下式、常徳不タガ。
復帰於無極。
知其栄、守其辱、為天下谷。
為天下谷、常徳乃足、復帰於樸。
樸散則為器。
聖人用之、則為官長。
故大制不割。
基本は変えず、柔軟に対応する。
そうすれば発展できる。
生まれた時は弱々しいものだ。
盛んなものより、すたれたものに目を向け
る。
そうすれば絶えることはない。
過去は懐かしいものだ。
栄えても貧しさを忘れない。
そうすれば逃げたりしない。
利益は、なかったから得られたものだ。
知恵は無理なく利用する。
だから悩んだりしないのだ。
○老子の読み下し文
その雄を知りて、その雌を守れば、天下の
谿(たに)となる。
天下の谿となれば、常の徳は離れず。
嬰児に復帰す。
その白を知りて、その黒を守れば、天下の
式(のり)となる。
天下の式となれば、常の徳はたがわず。
無極に復帰す。
その栄を知りて、その辱を守れば、天下の
谷となる。
天下の谷となれば、常の徳はすなわち足り、
樸(ぼく)に復帰す。
樸は散ずれば、すなわち器となる。
聖人はこれを用いて、すなわち官の長とな
る。
故に大制は割かず。
○老子の原文
知其雄、守其雌、為天下谿。
為天下谿、常徳不離。
復帰於嬰児。
知其白、守其黒、為天下式。
為天下式、常徳不タガ。
復帰於無極。
知其栄、守其辱、為天下谷。
為天下谷、常徳乃足、復帰於樸。
樸散則為器。
聖人用之、則為官長。
故大制不割。
2013年6月16日日曜日
27.適材適所
○老子の原文を道具として解釈したもの
業績はない。
遺言はしない。
遺産もない。
だから何も盗まれることはない。
跡を継ぐ者が、自由に行動できる。
人の能力を知り、それを利用する。
物の使い方を知り、それを利用する。
特徴を知り、それを利用する。
これを知る者が人を使い。
知らない者が人に使われる。
特徴を無視した使い方をするからうまくい
かない。
適材適所を知ることだ。
○老子の読み下し文
善く行くものは轍迹(てつせき)なし。
善く言うものは瑕適(かてき)なし。
善く数うるものは籌策(ちゅさく)を用いず。
善く閉ざすものは、関鍵(かんけん)なくし
て開くべからず。
善く結ぶものは、縄約(じょうやく)なくし
て解くべからず。
ここを以て聖人は、常に善く人を救い、故
に人を棄てることなし。
常に善く物を救い、故に物を棄てることな
し。
これを明に襲(い)ると言う。
故に善人は不善人の師なり。
不善人は善人の資なり。
その師を貴ばす、その資を愛せざれば、智
ありといえども大いに迷わん。
これを要(よう)妙(みょう)と言う。
○老子の原文
善行無轍迹。
善言無瑕適。
善數不用籌策。
善閉無関鍵、而不可開。
善結無縄約、而不可解。
是以聖人、常善救人、故無棄人。
常善救物、故無棄物。
是謂襲明。
故善人者、不善人之師。
不善人者、善人之資。
不貴其師、不愛其資、雖智大迷。
是謂要妙。
業績はない。
遺言はしない。
遺産もない。
だから何も盗まれることはない。
跡を継ぐ者が、自由に行動できる。
人の能力を知り、それを利用する。
物の使い方を知り、それを利用する。
特徴を知り、それを利用する。
これを知る者が人を使い。
知らない者が人に使われる。
特徴を無視した使い方をするからうまくい
かない。
適材適所を知ることだ。
○老子の読み下し文
善く行くものは轍迹(てつせき)なし。
善く言うものは瑕適(かてき)なし。
善く数うるものは籌策(ちゅさく)を用いず。
善く閉ざすものは、関鍵(かんけん)なくし
て開くべからず。
善く結ぶものは、縄約(じょうやく)なくし
て解くべからず。
ここを以て聖人は、常に善く人を救い、故
に人を棄てることなし。
常に善く物を救い、故に物を棄てることな
し。
これを明に襲(い)ると言う。
故に善人は不善人の師なり。
不善人は善人の資なり。
その師を貴ばす、その資を愛せざれば、智
ありといえども大いに迷わん。
これを要(よう)妙(みょう)と言う。
○老子の原文
善行無轍迹。
善言無瑕適。
善數不用籌策。
善閉無関鍵、而不可開。
善結無縄約、而不可解。
是以聖人、常善救人、故無棄人。
常善救物、故無棄物。
是謂襲明。
故善人者、不善人之師。
不善人者、善人之資。
不貴其師、不愛其資、雖智大迷。
是謂要妙。
2013年6月15日土曜日
26.隠れた本質
○老子の原文を道具として解釈したもの
重いものは軽いものの下にあり、静かなも
のは騒がしいものに隠されている。
だから先を急がず、慌てない。
ささいな事もあまくみてはいけない。
慎重にしなければ計画がくるい、静観しな
ければ目標を見失う。
○老子の読み下し文
重きは軽きの根たり、静かなるは躁(さわ
が)しきの君たり。
ここを以て君子は、終日行きて輜重(しちょ
う)を離れず、栄観有りといえども、燕処し
て超然たり。
奈何(いかん)ぞ、万乗の主にして、身を
以て天下より軽しとするや。
軽ければ則ち本を失い、躁しければ則ち君
を失う。
○老子の原文
重為軽根、靜為躁君。
是以君子、終日行、不離輜重、雖有栄観、
燕処超然。
奈何万乗之主、而以身軽天下。
軽則失本、躁則失君。
重いものは軽いものの下にあり、静かなも
のは騒がしいものに隠されている。
だから先を急がず、慌てない。
ささいな事もあまくみてはいけない。
慎重にしなければ計画がくるい、静観しな
ければ目標を見失う。
○老子の読み下し文
重きは軽きの根たり、静かなるは躁(さわ
が)しきの君たり。
ここを以て君子は、終日行きて輜重(しちょ
う)を離れず、栄観有りといえども、燕処し
て超然たり。
奈何(いかん)ぞ、万乗の主にして、身を
以て天下より軽しとするや。
軽ければ則ち本を失い、躁しければ則ち君
を失う。
○老子の原文
重為軽根、靜為躁君。
是以君子、終日行、不離輜重、雖有栄観、
燕処超然。
奈何万乗之主、而以身軽天下。
軽則失本、躁則失君。
2013年6月14日金曜日
25.未知
○老子の原文を道具として解釈したもの
最初から形の整ったものはない。
そのままでは目立たず、影響もない。
そこから新しいものが生まれる。
手をくわえることで、形ができる。
形が区別できるので名前もつけられる。
名前があるから知られ、知られるから遠く
まで伝わり、その名前が定着する。
自然は名前で区別され、人も名前で区別さ
れる。
人は自然の一部にすぎない。
人は地に住み、地は天に依存し、天は自然
の移り変わりに影響を受ける。
○老子の読み下し文
物有り混成し、天地に先んじて生ず。
寂(せき)たり寥(りょう)たり、独立して改
めず、周行して殆(つか)れず。
以て天下の母となすべし。
吾れその名を知らず、これに字(あざな)し
て道と言う。
強(し)いてこれが名をなして大と言う。
大なれば逝(ゆ)き、逝けば遠ざかり、遠ざ
かれば反(かえ)る。
故に道は大、天も大、地も大、王もまた大
なり。
域中に四大有りて、王はその一に居る。
人は地に法(のっと)り、地は天に法り、天
は道に法り、道は自然に法る。
○老子の原文
有物混成、先天地生。
寂兮寥兮、独立而不改、周行而不殆。
可以為天下之母。
吾不知其名、字之曰道。
強為之名曰大。
大曰逝、逝曰遠、遠曰反。
故道大、天大、地大、王亦大。
域中有四大、而王居其一焉。
人法地、地法天、天法道、道法自然。
最初から形の整ったものはない。
そのままでは目立たず、影響もない。
そこから新しいものが生まれる。
手をくわえることで、形ができる。
形が区別できるので名前もつけられる。
名前があるから知られ、知られるから遠く
まで伝わり、その名前が定着する。
自然は名前で区別され、人も名前で区別さ
れる。
人は自然の一部にすぎない。
人は地に住み、地は天に依存し、天は自然
の移り変わりに影響を受ける。
○老子の読み下し文
物有り混成し、天地に先んじて生ず。
寂(せき)たり寥(りょう)たり、独立して改
めず、周行して殆(つか)れず。
以て天下の母となすべし。
吾れその名を知らず、これに字(あざな)し
て道と言う。
強(し)いてこれが名をなして大と言う。
大なれば逝(ゆ)き、逝けば遠ざかり、遠ざ
かれば反(かえ)る。
故に道は大、天も大、地も大、王もまた大
なり。
域中に四大有りて、王はその一に居る。
人は地に法(のっと)り、地は天に法り、天
は道に法り、道は自然に法る。
○老子の原文
有物混成、先天地生。
寂兮寥兮、独立而不改、周行而不殆。
可以為天下之母。
吾不知其名、字之曰道。
強為之名曰大。
大曰逝、逝曰遠、遠曰反。
故道大、天大、地大、王亦大。
域中有四大、而王居其一焉。
人法地、地法天、天法道、道法自然。
2013年6月13日木曜日
24.過剰
○老子の原文を道具として解釈したもの
計画性がなければ実現できない。
手順をはぶくと先へは進めない。
目立とうとするとかえって注目されない。
自画自賛は受け入れられない。
人気がでれば、後はすたれるだけ。
ワンパターンでは長続きしない。
目立たせて騒いで注目されてもそれは一時
的なもの。
すぐに飽きられる。
何の利益も得られない。
○老子の読み下し文
企(つまだ)つ者は立たず。
跨(また)ぐ者は行かず。
自ら見わす者は明らかならず。
自ら是とする者は彰われず。
自ら伐る者は功無し。
自ら矜る者は長からず。
その道に在るや、余食贅行(よしぜいこう)
と言う。
物これを悪む或(あ)り。
故に有道者は処(お)らず。
○老子の原文
企者不立。
跨者不行。
自見者不明。
自是者不彰。
自伐者無功。
自矜者不長。
其在道也、曰餘食贅行。
物或悪之。
故有道者不処。
計画性がなければ実現できない。
手順をはぶくと先へは進めない。
目立とうとするとかえって注目されない。
自画自賛は受け入れられない。
人気がでれば、後はすたれるだけ。
ワンパターンでは長続きしない。
目立たせて騒いで注目されてもそれは一時
的なもの。
すぐに飽きられる。
何の利益も得られない。
○老子の読み下し文
企(つまだ)つ者は立たず。
跨(また)ぐ者は行かず。
自ら見わす者は明らかならず。
自ら是とする者は彰われず。
自ら伐る者は功無し。
自ら矜る者は長からず。
その道に在るや、余食贅行(よしぜいこう)
と言う。
物これを悪む或(あ)り。
故に有道者は処(お)らず。
○老子の原文
企者不立。
跨者不行。
自見者不明。
自是者不彰。
自伐者無功。
自矜者不長。
其在道也、曰餘食贅行。
物或悪之。
故有道者不処。
2013年6月12日水曜日
23.流体力
○老子の原文を道具として解釈したもの
自然は主張しない。
災いは長続きしないものだ。
災いが自然から生まれたものだからだ。
自然ですら長続きさせられないのに、人な
らなおさらだ。
自然に逆らわなければ、得るものもあるし、
失うものもある。
人の流れに従っていれば、争いはない。
来るものを拒まなければ、得ることができ
る。
去るものを追わなければ、捨てることがで
きる。
勝手な振る舞いは、不信をいだかせる。
○老子の読み下し文
希言は自然なり。
故に飄風(ひょうふう)は朝(あした)を終え
ず、驟雨(しゅうう)は日を終えず。
孰(だれ)かこれをなすもの、天地なり。
天地すら久しきこと能(あた)わず、しかる
に況(いわ)んや人に於いてをや。
故に事に道に従う者は、道に同じ、徳なる
者は、徳に同じ、失なる者は、失に同ず。
道に同ずる者には、道もまたこれを得るを
楽しむ。
徳に同ずる者には、徳もまたこれを得るを
楽しむ。
失に同ずる者には、失もまたこれを得るを
楽しむ。
信足らざれば、信ぜられざること有り。
○老子の原文
希言自然。
故飄風不終朝、驟雨不終日。
孰為此者、天地。
天地尚不能久、而況於人乎。
故従事於道者同於道、徳者同於徳、
失者同於失。
同於道者、道亦楽得之。
同於徳者、徳亦楽得之。
同於失者、失亦楽得之。
信不足焉、有不信焉。
自然は主張しない。
災いは長続きしないものだ。
災いが自然から生まれたものだからだ。
自然ですら長続きさせられないのに、人な
らなおさらだ。
自然に逆らわなければ、得るものもあるし、
失うものもある。
人の流れに従っていれば、争いはない。
来るものを拒まなければ、得ることができ
る。
去るものを追わなければ、捨てることがで
きる。
勝手な振る舞いは、不信をいだかせる。
○老子の読み下し文
希言は自然なり。
故に飄風(ひょうふう)は朝(あした)を終え
ず、驟雨(しゅうう)は日を終えず。
孰(だれ)かこれをなすもの、天地なり。
天地すら久しきこと能(あた)わず、しかる
に況(いわ)んや人に於いてをや。
故に事に道に従う者は、道に同じ、徳なる
者は、徳に同じ、失なる者は、失に同ず。
道に同ずる者には、道もまたこれを得るを
楽しむ。
徳に同ずる者には、徳もまたこれを得るを
楽しむ。
失に同ずる者には、失もまたこれを得るを
楽しむ。
信足らざれば、信ぜられざること有り。
○老子の原文
希言自然。
故飄風不終朝、驟雨不終日。
孰為此者、天地。
天地尚不能久、而況於人乎。
故従事於道者同於道、徳者同於徳、
失者同於失。
同於道者、道亦楽得之。
同於徳者、徳亦楽得之。
同於失者、失亦楽得之。
信不足焉、有不信焉。
2013年6月11日火曜日
22.自然体
○老子の原文を道具として解釈したもの
人生には苦難があり、障害があるから成長
できる。
不満があるから満足を求め、古くなるから
新しくする。
少なければ選べないが、多ければ迷う。
基本的なことが大事なんだ。
普通にしているから目立つ。
普通に考えるから正しい。
普通に努力しているから功績がある。
普通に行動しているから慕われる。
競争しないから争いもない。
これは昔から変わらない。
必ず自分の利益になる。
○老子の読み下し文
曲なれば則ち全(まった)く、枉(おう)なれ
ば則ち直(ただ)し。
窪(わ)なれば則ち盈ち、敝(へい)なれば則
ち新たなり。
少なければ則ち得、多ければ則ち惑う。
ここを以て聖人は一を抱きて天下の式(のり)
となる。
自ら見(あら)わさず、故に明らかなり。
自ら是(ぜ)とせず、故に彰(あら)わる。
自ら伐(ほこ)らず、故に功有り。
自ら矜(ほこ)らず、故に長し。
それただ争わず、故に天下も能(よ)くこれ
と争うことなし。
古の所謂(いわゆる)曲なれば則ち全しとは、
豈(あ)に虚言ならんや。
誠に全くしてこれを帰す。
○老子の原文
曲則全、枉則直。
窪則盈、敝則新。
少則得、多則惑。
是以聖人抱一、為天下式。
不自見故明。
不自是故彰。
不自伐故有功。
不自矜故長。
夫惟不争、故天下莫能与之争。
古之所謂曲則全者、豈虚言哉。
誠全而帰之。
人生には苦難があり、障害があるから成長
できる。
不満があるから満足を求め、古くなるから
新しくする。
少なければ選べないが、多ければ迷う。
基本的なことが大事なんだ。
普通にしているから目立つ。
普通に考えるから正しい。
普通に努力しているから功績がある。
普通に行動しているから慕われる。
競争しないから争いもない。
これは昔から変わらない。
必ず自分の利益になる。
○老子の読み下し文
曲なれば則ち全(まった)く、枉(おう)なれ
ば則ち直(ただ)し。
窪(わ)なれば則ち盈ち、敝(へい)なれば則
ち新たなり。
少なければ則ち得、多ければ則ち惑う。
ここを以て聖人は一を抱きて天下の式(のり)
となる。
自ら見(あら)わさず、故に明らかなり。
自ら是(ぜ)とせず、故に彰(あら)わる。
自ら伐(ほこ)らず、故に功有り。
自ら矜(ほこ)らず、故に長し。
それただ争わず、故に天下も能(よ)くこれ
と争うことなし。
古の所謂(いわゆる)曲なれば則ち全しとは、
豈(あ)に虚言ならんや。
誠に全くしてこれを帰す。
○老子の原文
曲則全、枉則直。
窪則盈、敝則新。
少則得、多則惑。
是以聖人抱一、為天下式。
不自見故明。
不自是故彰。
不自伐故有功。
不自矜故長。
夫惟不争、故天下莫能与之争。
古之所謂曲則全者、豈虚言哉。
誠全而帰之。
2013年6月10日月曜日
21.跡継ぎ
○老子の原文を道具として解釈したもの
王位を継承するには時期がある。
継承する時期はいつも同じではない。
王位には与えかたがある。
王位を与えたことは物で表す。
それは滅多に手に入らない貴重な物。
それを見れば王位を授かったと分かる物。
それは代々伝えられ、人々を統率できる。
人々を統率できるのは、王位の授けた時期
と人物を間違っていないからだ。
○老子の読み下し文
孔徳の容は、ただ道にこれ従う。
道の物たる、これ恍(こう)、これ惚(こつ)。
惚たり恍たりその中に象有り。
恍たり惚たり、その中に物有り。
窈(よう)たり冥たり、その中に精有り。
その精はなはだ真なり、その中に信有り。
古より今に及ぶまで、その名は去らず、以
て衆甫(しゅうほ)を閲(す)ぶ。
吾れ何を以てか衆甫の然(しか)るを知るや。
これを以てなり。
○老子の原文
孔德之容、惟道是従。
道之為物、惟恍惟惚。
惚兮恍兮、其中有象。
恍兮惚兮、其中有物。
窈兮冥兮、其中有精。
其精甚眞、其中有信。
自古及今、其名不去、以閲衆甫。
吾何以知衆甫之然哉。
以此。
王位を継承するには時期がある。
継承する時期はいつも同じではない。
王位には与えかたがある。
王位を与えたことは物で表す。
それは滅多に手に入らない貴重な物。
それを見れば王位を授かったと分かる物。
それは代々伝えられ、人々を統率できる。
人々を統率できるのは、王位の授けた時期
と人物を間違っていないからだ。
○老子の読み下し文
孔徳の容は、ただ道にこれ従う。
道の物たる、これ恍(こう)、これ惚(こつ)。
惚たり恍たりその中に象有り。
恍たり惚たり、その中に物有り。
窈(よう)たり冥たり、その中に精有り。
その精はなはだ真なり、その中に信有り。
古より今に及ぶまで、その名は去らず、以
て衆甫(しゅうほ)を閲(す)ぶ。
吾れ何を以てか衆甫の然(しか)るを知るや。
これを以てなり。
○老子の原文
孔德之容、惟道是従。
道之為物、惟恍惟惚。
惚兮恍兮、其中有象。
恍兮惚兮、其中有物。
窈兮冥兮、其中有精。
其精甚眞、其中有信。
自古及今、其名不去、以閲衆甫。
吾何以知衆甫之然哉。
以此。
2013年6月9日日曜日
20.判断材料
○老子の原文を道具として解釈したもの
知識がなければ心配することさえできない。
返事の区別もつかない。
善悪も分からない。
人が恐れることも平気になってしまう。
目的も達成しない。
周りの人は遊んでいるように見える。
自分は楽しむこともできず、仲間に加わる
こともできない。
周りの人は満足そうだが自分は物足りない。
自分はただ流されているだけ。
人々は流行にはしり、自分は置いてきぼり。
人々には噂が広まるが、自分には伝わらな
い。
方向も分からず、前に進むこともできない。
人々は技術を身につけていくが、自分は進
歩がない。
自分は自然に生かされているだけのようだ。
○老子の読み下し文
学を絶てば憂い無し。
唯(い)と阿(あ)と相去ること幾何(いくばく)
ぞ。
善と悪と相去ること何若(いかん)。
人の畏(おそ)るる所、畏れざるべからず。
荒(こう)としてそれ未だ央(つ)きざるかな。
衆人は熙熙(きき)として、太牢(たいろう)
を享(う)くるがごとく、春に台に登るがごと
し。
我は独り泊(はく)としてそれ未だ兆(きざ)
さず、嬰児(えいじ)の未だ孩(わら)わざるが
ごとし。
累累(るいるい)として帰する所無きがごと
し。
衆人は皆余り有りて、我は独り遺(とぼ)し
きがごとし。
我は愚人の心なるかな、沌沌(どんどん)た
り。
俗人は昭昭(しょうしょう)たるも、我は独
り昏昏(こんこん)たり。
俗人は察察(さつさつ)たるも、我は独り悶々
(もんもん)たり。
澹(たん)としてそれ海のごとく、洸(こう)
として止まるなきがごとし。
衆人は皆以(もち)うる有りて、我は独り頑
にして鄙(ひ)に似る。
我は独り人に異(ことな)りて、食母(しょく
ぼ)を貴ぶ。
○老子の原文
絶学無憂。
唯之与阿、相去幾何。
善之与悪、相去何若。
人之所畏、不可不畏。
荒兮其未央哉。
衆人熙熙、如享太牢、如春登台。
我独泊兮其未兆、如嬰児之未孩。
累累兮若無所帰。
衆人皆有余、而我独若遺。
我愚人之心也哉。
沌沌兮。
俗人昭昭、我独昏昏。
俗人察察、我独悶悶。
澹兮其若海、洸兮若無止。
衆人皆有以、而我独頑似鄙。
我独異於人、而貴食母。
知識がなければ心配することさえできない。
返事の区別もつかない。
善悪も分からない。
人が恐れることも平気になってしまう。
目的も達成しない。
周りの人は遊んでいるように見える。
自分は楽しむこともできず、仲間に加わる
こともできない。
周りの人は満足そうだが自分は物足りない。
自分はただ流されているだけ。
人々は流行にはしり、自分は置いてきぼり。
人々には噂が広まるが、自分には伝わらな
い。
方向も分からず、前に進むこともできない。
人々は技術を身につけていくが、自分は進
歩がない。
自分は自然に生かされているだけのようだ。
○老子の読み下し文
学を絶てば憂い無し。
唯(い)と阿(あ)と相去ること幾何(いくばく)
ぞ。
善と悪と相去ること何若(いかん)。
人の畏(おそ)るる所、畏れざるべからず。
荒(こう)としてそれ未だ央(つ)きざるかな。
衆人は熙熙(きき)として、太牢(たいろう)
を享(う)くるがごとく、春に台に登るがごと
し。
我は独り泊(はく)としてそれ未だ兆(きざ)
さず、嬰児(えいじ)の未だ孩(わら)わざるが
ごとし。
累累(るいるい)として帰する所無きがごと
し。
衆人は皆余り有りて、我は独り遺(とぼ)し
きがごとし。
我は愚人の心なるかな、沌沌(どんどん)た
り。
俗人は昭昭(しょうしょう)たるも、我は独
り昏昏(こんこん)たり。
俗人は察察(さつさつ)たるも、我は独り悶々
(もんもん)たり。
澹(たん)としてそれ海のごとく、洸(こう)
として止まるなきがごとし。
衆人は皆以(もち)うる有りて、我は独り頑
にして鄙(ひ)に似る。
我は独り人に異(ことな)りて、食母(しょく
ぼ)を貴ぶ。
○老子の原文
絶学無憂。
唯之与阿、相去幾何。
善之与悪、相去何若。
人之所畏、不可不畏。
荒兮其未央哉。
衆人熙熙、如享太牢、如春登台。
我独泊兮其未兆、如嬰児之未孩。
累累兮若無所帰。
衆人皆有余、而我独若遺。
我愚人之心也哉。
沌沌兮。
俗人昭昭、我独昏昏。
俗人察察、我独悶悶。
澹兮其若海、洸兮若無止。
衆人皆有以、而我独頑似鄙。
我独異於人、而貴食母。
2013年6月8日土曜日
19.有効利用
○老子の原文を道具として解釈したもの
人を有効に利用すれば利益は増える。
情に訴えれば、助けたくなる。
役に立つことを認めれば、犯罪はなくなる。
状況を見て、目標を決め、協力を求め、利
益を公平にすること。
○老子の読み下し文
聖を絶ち智を棄つれば、民の利百倍す。
仁を絶ち義を棄つれば、民は孝慈に復す。
巧を絶ち利を棄つれば、盗賊有ることなし。
この三者、以て文足らずとなす。
故に属ぐ所あらしむ。
素を見(あら)わし樸(ぼく)を抱き、私を少
なくし欲を寡(すくな)くす。
○老子の原文
絶聖棄智、民利百倍。
絶仁棄義、民復孝慈。
絶巧棄利、盜賊無有。
此三者、以為文不足。
故令有所屬。
見素抱樸、少私寡欲。
人を有効に利用すれば利益は増える。
情に訴えれば、助けたくなる。
役に立つことを認めれば、犯罪はなくなる。
状況を見て、目標を決め、協力を求め、利
益を公平にすること。
○老子の読み下し文
聖を絶ち智を棄つれば、民の利百倍す。
仁を絶ち義を棄つれば、民は孝慈に復す。
巧を絶ち利を棄つれば、盗賊有ることなし。
この三者、以て文足らずとなす。
故に属ぐ所あらしむ。
素を見(あら)わし樸(ぼく)を抱き、私を少
なくし欲を寡(すくな)くす。
○老子の原文
絶聖棄智、民利百倍。
絶仁棄義、民復孝慈。
絶巧棄利、盜賊無有。
此三者、以為文不足。
故令有所屬。
見素抱樸、少私寡欲。
2013年6月7日金曜日
18.結果の本質
○老子の原文を道具として解釈したもの
規則があるのはそれを守らないからだ。
情報が多くなると嘘も増える。
遺産があるから家族が争う。
普通のことが目立つのは、政治が悪いから
だ。
○老子の読み下し文
大道廃(すた)れて、仁義有り。
智慧出でて、大偽有り。
六親(りくしん)和せずして、孝慈有り。
国家昏乱(こんらん)して、忠臣有り。
○老子の原文
大道廃有仁義。
智慧出有大偽。
六親不和有孝慈。
国家昏乱有忠臣。
規則があるのはそれを守らないからだ。
情報が多くなると嘘も増える。
遺産があるから家族が争う。
普通のことが目立つのは、政治が悪いから
だ。
○老子の読み下し文
大道廃(すた)れて、仁義有り。
智慧出でて、大偽有り。
六親(りくしん)和せずして、孝慈有り。
国家昏乱(こんらん)して、忠臣有り。
○老子の原文
大道廃有仁義。
智慧出有大偽。
六親不和有孝慈。
国家昏乱有忠臣。
2013年6月6日木曜日
17.愚鈍
○老子の原文を道具として解釈したもの
一番いいのは、誰にも評価されないことだ。
その次は、親しまれることだ。
その次は、恐れられ、そしてバカにされる
ことだ。
信用がないものは、信頼されない。
バカなようでも、的確な判断をする。
功績があり仕事を成し遂げても、人は自然
にそうなったと感じる。
○老子の読み下し文
太上(だいじょう)は下これを知るのみ。
その次は親しみてこれを誉む。
その次はこれを畏(おそ)れ、その次はこれ
を侮(あなど)る。
信足らざれば、すなわち信ぜられざる有り。
悠(ゆう)として、それ言を貴ぶ。
功成り事遂げて、百姓は皆我は自然なりと
言う。
○老子の原文
太上下知有之。
其次親而誉之。
其次畏之、其次侮之。
信不足焉、有不信焉。
悠兮其貴言。
功成事遂、百姓皆謂我自然。
一番いいのは、誰にも評価されないことだ。
その次は、親しまれることだ。
その次は、恐れられ、そしてバカにされる
ことだ。
信用がないものは、信頼されない。
バカなようでも、的確な判断をする。
功績があり仕事を成し遂げても、人は自然
にそうなったと感じる。
○老子の読み下し文
太上(だいじょう)は下これを知るのみ。
その次は親しみてこれを誉む。
その次はこれを畏(おそ)れ、その次はこれ
を侮(あなど)る。
信足らざれば、すなわち信ぜられざる有り。
悠(ゆう)として、それ言を貴ぶ。
功成り事遂げて、百姓は皆我は自然なりと
言う。
○老子の原文
太上下知有之。
其次親而誉之。
其次畏之、其次侮之。
信不足焉、有不信焉。
悠兮其貴言。
功成事遂、百姓皆謂我自然。
2013年6月5日水曜日
16.静観
○老子の原文を道具として解釈したもの
虚を利用する。
それは静まりかえって、動じない。
自然は生みだし、死を与える。
それは絶えず続いている。
虚は死んだように動じないことだ。
動じないから動いているものが分かる。
動いているから存在が分かる。
存在があるから、区別できる。
存在に気づかなければ、災いを招く。
存在を知っていれば、あらかじめ準備がで
きる。
準備ができていれば落ち着く。
落ち着いているから、正しく指図できる。
正しい指図をすることで、すべてを把握で
きる。
把握すれば、すべてを一つにまとめること
ができる。
まとまれば、争いはなくなる。
だから、安心して生きられる。
○老子の読み下し文
虚を致すこと極まる。
静を守ること篤(あつ)し。
万物は並び作(おこ)れども、吾れは以て復
(かえ)るを観る。
それ物の芸芸(うんうん)たれども、おのお
のその根に復帰す。
根に帰るを静と言う。
これを命に復ると言う。
命に復るを常と言う。
常を知るを明と言う。
常を知らざれば、妄作(もうさ)して凶なり。
常を知れば容(い)る。
容るればすなわち公なり。
公なればすなわち王なり。
王たればすなわち天なり。
天なればすなわち道なり。
道なればすなわち久し。
身を没するまで殆(あや)うからず。
○老子の原文
到虚極。
守静篤。
万物並作、吾以観復。
夫物芸芸、各復帰其根。
帰根曰静。
是謂復命。
復命曰常。
知常曰明。
不知常、妄作凶。
知常容。
容乃公。
公乃王。
王乃天。
天乃道。
道乃久。
没身不殆。
虚を利用する。
それは静まりかえって、動じない。
自然は生みだし、死を与える。
それは絶えず続いている。
虚は死んだように動じないことだ。
動じないから動いているものが分かる。
動いているから存在が分かる。
存在があるから、区別できる。
存在に気づかなければ、災いを招く。
存在を知っていれば、あらかじめ準備がで
きる。
準備ができていれば落ち着く。
落ち着いているから、正しく指図できる。
正しい指図をすることで、すべてを把握で
きる。
把握すれば、すべてを一つにまとめること
ができる。
まとまれば、争いはなくなる。
だから、安心して生きられる。
○老子の読み下し文
虚を致すこと極まる。
静を守ること篤(あつ)し。
万物は並び作(おこ)れども、吾れは以て復
(かえ)るを観る。
それ物の芸芸(うんうん)たれども、おのお
のその根に復帰す。
根に帰るを静と言う。
これを命に復ると言う。
命に復るを常と言う。
常を知るを明と言う。
常を知らざれば、妄作(もうさ)して凶なり。
常を知れば容(い)る。
容るればすなわち公なり。
公なればすなわち王なり。
王たればすなわち天なり。
天なればすなわち道なり。
道なればすなわち久し。
身を没するまで殆(あや)うからず。
○老子の原文
到虚極。
守静篤。
万物並作、吾以観復。
夫物芸芸、各復帰其根。
帰根曰静。
是謂復命。
復命曰常。
知常曰明。
不知常、妄作凶。
知常容。
容乃公。
公乃王。
王乃天。
天乃道。
道乃久。
没身不殆。
2013年6月4日火曜日
15.無垢
○老子の原文を道具として解釈したもの
道を極めた者は、理解されない。
例えれば、
氷った川を渡るように慎重。
周りの敵を恐れるように用心深い。
客のように礼儀正しい。
氷が解けるように親しみ。
木のように飾りけがない。
谷のように何でも受け入れる。
濁っているように、目立たない。
濁っていてもその奥底は清らか。
何もしていないようで、変化に対応してい
る。
いつも決して満足しない。
だから新しいことを見つけだす。
○老子の読み下し文
古の善く道をなす者は、微妙玄通にして、
深きこと識るべからず。
それただ識るべからず、故に強(し)いてこ
れが容をなす。
豫(よ)として冬に川を渉(わた)るがごとし。
猶(ゆう)として四隣(しりん)を畏(おそ)る
るがごとし。
儼(げん)としてそれ客のごとし。
渙(かん)として氷の将(まさ)に釈(と)けん
とするがごとし。
孰(とん)としてそれ樸(ぼく)のごとし。
曠(こう)としてそれ谷のごとし。
混(こん)としてそれ濁れるがごとし。
孰(だ)れか能(よ)く濁りて以てこれを静め
れば、徐(おもむ)ろに清し。
孰れか能く安らかにして以てこれを動かし
て徐ろに生ぜん。
この道を保つ者は、盈(み)つるを欲せず。
それただ盈たず、故に能く敝(やぶ)れて新
たに成さず。
○老子の原文
古之善為道者、微妙玄通、深不可識。
夫唯不可識、故強為之容。
豫兮若冬渉川。
猶兮若畏四隣。
儼兮其若客。
渙兮若氷将釈。
敦兮其若樸。
曠兮其若谷。
混兮其若濁。
孰能濁以静之徐清。
孰能安以動之徐生。
保此道者、不欲盈。
夫唯不盈、故能敝不新成。
道を極めた者は、理解されない。
例えれば、
氷った川を渡るように慎重。
周りの敵を恐れるように用心深い。
客のように礼儀正しい。
氷が解けるように親しみ。
木のように飾りけがない。
谷のように何でも受け入れる。
濁っているように、目立たない。
濁っていてもその奥底は清らか。
何もしていないようで、変化に対応してい
る。
いつも決して満足しない。
だから新しいことを見つけだす。
○老子の読み下し文
古の善く道をなす者は、微妙玄通にして、
深きこと識るべからず。
それただ識るべからず、故に強(し)いてこ
れが容をなす。
豫(よ)として冬に川を渉(わた)るがごとし。
猶(ゆう)として四隣(しりん)を畏(おそ)る
るがごとし。
儼(げん)としてそれ客のごとし。
渙(かん)として氷の将(まさ)に釈(と)けん
とするがごとし。
孰(とん)としてそれ樸(ぼく)のごとし。
曠(こう)としてそれ谷のごとし。
混(こん)としてそれ濁れるがごとし。
孰(だ)れか能(よ)く濁りて以てこれを静め
れば、徐(おもむ)ろに清し。
孰れか能く安らかにして以てこれを動かし
て徐ろに生ぜん。
この道を保つ者は、盈(み)つるを欲せず。
それただ盈たず、故に能く敝(やぶ)れて新
たに成さず。
○老子の原文
古之善為道者、微妙玄通、深不可識。
夫唯不可識、故強為之容。
豫兮若冬渉川。
猶兮若畏四隣。
儼兮其若客。
渙兮若氷将釈。
敦兮其若樸。
曠兮其若谷。
混兮其若濁。
孰能濁以静之徐清。
孰能安以動之徐生。
保此道者、不欲盈。
夫唯不盈、故能敝不新成。
2013年6月3日月曜日
14.無知無感
○老子の原文を道具として解釈したもの
見えない光。
聞こえない音。
感触のない物。
この三つは感じることができないので、同
じようなものだ。
大きすぎても小さすぎても感じることがで
きない。
区別ができないので名前のつけようがなく、
「無い」と思われている。
感じることができなくても存在するものが
ある。
幻のようなものだ。
表も裏も区別ができない。
それを発見し存在が分かるようになった。
よく調べること。
そうすれば進歩する。
○老子の読み下し文
これを視れども見えず、これを名づけて夷
(い)と言う。
これを聴けども聞こえず、これを名づけて
希と言う。
これを搏(う)てども得ず、これを名づけて
微と言う。
三者は致詰(ちきつ)すべからず、故に混じ
て一となす。
その上は皦(あきら)かならず、その下は昧
(くら)からず。
縄縄(じょうじょう)として名づくべからず、
無物に復帰す。これを無状の状、無物の象と
言う。
これを惚恍(こうこつ)と言う。
これを迎えてその首を見ず、これを随いて
その後を見ず。
古(いにしえ)の道を執(と)りて、以て今の
有を御す。
よく古始を知る。
これを道紀と言う。
○老子の原文
視之不見、名曰夷。
聴之不聞、名曰希。
搏之不得、名曰微。
此三者不可致詰、故混而為一。
其上不皦、其下不昧。
縄縄不可名、復帰於無物。
是謂無状之状、無物之象。
是謂惚恍。
迎之不見其首、随之不見其後。
執古之道、以御今之有。
能知古始。
是謂道紀。
見えない光。
聞こえない音。
感触のない物。
この三つは感じることができないので、同
じようなものだ。
大きすぎても小さすぎても感じることがで
きない。
区別ができないので名前のつけようがなく、
「無い」と思われている。
感じることができなくても存在するものが
ある。
幻のようなものだ。
表も裏も区別ができない。
それを発見し存在が分かるようになった。
よく調べること。
そうすれば進歩する。
○老子の読み下し文
これを視れども見えず、これを名づけて夷
(い)と言う。
これを聴けども聞こえず、これを名づけて
希と言う。
これを搏(う)てども得ず、これを名づけて
微と言う。
三者は致詰(ちきつ)すべからず、故に混じ
て一となす。
その上は皦(あきら)かならず、その下は昧
(くら)からず。
縄縄(じょうじょう)として名づくべからず、
無物に復帰す。これを無状の状、無物の象と
言う。
これを惚恍(こうこつ)と言う。
これを迎えてその首を見ず、これを随いて
その後を見ず。
古(いにしえ)の道を執(と)りて、以て今の
有を御す。
よく古始を知る。
これを道紀と言う。
○老子の原文
視之不見、名曰夷。
聴之不聞、名曰希。
搏之不得、名曰微。
此三者不可致詰、故混而為一。
其上不皦、其下不昧。
縄縄不可名、復帰於無物。
是謂無状之状、無物之象。
是謂惚恍。
迎之不見其首、随之不見其後。
執古之道、以御今之有。
能知古始。
是謂道紀。
2013年6月2日日曜日
13.感情移入
○老子の原文を道具として解釈したもの
ささいな変化も見逃さない。
何かにつけ自分に起こったこととして考え
る。
ささいな変化も見逃さないとは、うわさ程
度でもそこに人や世の中の変化が反映してい
るということ。
だから見逃せないのだ。
何かにつけ自分に起こったこととして考え
ると、自分におちどがないかを考えることが
できる。
だからいざという時、心構えや準備ができ
てあわてない。
世の中の変化を真っ先に気づく人が信頼さ
れる。
世の中の出来事を自分の体に起こったこと
のように感じられる人に仕事を任せられる。
○老子の読み下し文
寵辱(ちょうじょく)驚くがごとし。
大患を貴ぶこと身のごとし。
何をか寵辱驚くがごとしと言う。
寵を下となすに、これを得ては驚くがごと
く、これを失いては驚くがごとし。
これを寵辱驚くがごとしと言う。
何をか大患を貴ぶこと身のごとしと言う。
吾に大患有る所以(ゆえん)は、吾に身有る
がためなり。
吾に身無きに及びては、吾に何の患(うれ)
い有らん。
故に身を天下より貴べば、すなわち天下を
寄すべし。
身を天下より愛すれば、すなわち天下をた
くすべし。
○老子の原文
寵辱若驚。
貴大患若身。
何謂寵辱若驚。
寵為下、得之若驚、失之若驚。
是謂寵辱若驚。
何謂貴大患若身。
吾所以有大患者、為吾有身。
及吾無身、吾有何患。
故貴以身為天下、若可寄天下。
愛以身為天下、若可托天下。
ささいな変化も見逃さない。
何かにつけ自分に起こったこととして考え
る。
ささいな変化も見逃さないとは、うわさ程
度でもそこに人や世の中の変化が反映してい
るということ。
だから見逃せないのだ。
何かにつけ自分に起こったこととして考え
ると、自分におちどがないかを考えることが
できる。
だからいざという時、心構えや準備ができ
てあわてない。
世の中の変化を真っ先に気づく人が信頼さ
れる。
世の中の出来事を自分の体に起こったこと
のように感じられる人に仕事を任せられる。
○老子の読み下し文
寵辱(ちょうじょく)驚くがごとし。
大患を貴ぶこと身のごとし。
何をか寵辱驚くがごとしと言う。
寵を下となすに、これを得ては驚くがごと
く、これを失いては驚くがごとし。
これを寵辱驚くがごとしと言う。
何をか大患を貴ぶこと身のごとしと言う。
吾に大患有る所以(ゆえん)は、吾に身有る
がためなり。
吾に身無きに及びては、吾に何の患(うれ)
い有らん。
故に身を天下より貴べば、すなわち天下を
寄すべし。
身を天下より愛すれば、すなわち天下をた
くすべし。
○老子の原文
寵辱若驚。
貴大患若身。
何謂寵辱若驚。
寵為下、得之若驚、失之若驚。
是謂寵辱若驚。
何謂貴大患若身。
吾所以有大患者、為吾有身。
及吾無身、吾有何患。
故貴以身為天下、若可寄天下。
愛以身為天下、若可托天下。
2013年6月1日土曜日
12.幻惑
○老子の原文を道具として解釈したもの
色は目を惑わす。
音は耳を惑わす。
味は舌を惑わす。
ギャンブルは人の心を惑わす。
宝は、人の行動を惑わす。
聖人は、質素な生活を心がける。
だから、何にも惑わされることなく、本質
を見抜く。
○老子の読み下し文
五色は人の目を盲(もう)ならしむ。
五音は人の耳を聾(ろう)ならしむ。
五味は人の口を爽(たが)わしむ。
馳騁畋猟(ちていでんりょう)は、人の心を
発狂せしむ。
得難きの貨は、人の行いを妨げしむ。
ここを以て聖人は、腹をなして目をなさず。
故に彼を去りて此れを取る。
○老子の原文
五色令人目盲。
五音令人耳聾。
五味令人口爽。
馳騁畋猟、令人心発狂。
難得之貨、令人行妨。
是以聖人、為腹不為目。
故去彼取此。
色は目を惑わす。
音は耳を惑わす。
味は舌を惑わす。
ギャンブルは人の心を惑わす。
宝は、人の行動を惑わす。
聖人は、質素な生活を心がける。
だから、何にも惑わされることなく、本質
を見抜く。
○老子の読み下し文
五色は人の目を盲(もう)ならしむ。
五音は人の耳を聾(ろう)ならしむ。
五味は人の口を爽(たが)わしむ。
馳騁畋猟(ちていでんりょう)は、人の心を
発狂せしむ。
得難きの貨は、人の行いを妨げしむ。
ここを以て聖人は、腹をなして目をなさず。
故に彼を去りて此れを取る。
○老子の原文
五色令人目盲。
五音令人耳聾。
五味令人口爽。
馳騁畋猟、令人心発狂。
難得之貨、令人行妨。
是以聖人、為腹不為目。
故去彼取此。
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