2013年5月23日木曜日

3.争いの素

○老子の原文を道具として解釈したもの

 人に優劣をつけなければ争わない。
 宝物を自慢しなければ、盗まれることはな
い。
 欲望を刺激しなければ、心を乱すことはな
い。
 だから聖人の政治は、人々を平等に扱い、
利益を分配し、倹約に努め、結束を強くする。
 常に人々に目標を示し、それに向かって一
心不乱に行動するように働きかける。
 自然の流れに逆らわなければ、政治は乱れ
ることはない。


○老子の読み下し文

 賢をたっとばざれば、民をして争わざらし
む。
 得難きの貨を貴ばざれば、民をして盗みを
なさざらしむ。
 欲すべきをしめさざれば、民の心をして乱
れざらしむ。
 ここを以て聖人の治は、その心を虚しくし、
その腹を実たし、その志を弱くして、その骨
を強くす。
 常に民をして無知無欲ならしめ、かの知者
をして敢えてなさざらしむ。
 無為をなせば、即ち治まらざる無し。


○老子の原文

 不尚賢、使民不争。
 不貴難得之貨、使民不為盜。
 不見可欲、使民心不乱。
 是以聖人之治、虚其心、実其腹、弱其志、
強其骨。
 常使民無知無欲、使夫知者不敢為也。
 為無為、則無不治。

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