2013年5月22日水曜日

2.相反するもの

○老子の原文を道具として解釈したもの

 みんなが「綺麗にしよう」と言っているの
は醜いところがあるからだ。
 みんなが「善をおこなおう」と言っている
のは悪いところがあるからだ。
 同じように、有無、難易、長短などの相反
するものがあり、高下のような傾きがあり、
音と声は混ざることはなく、それに前後の区
別もある。
 だから聖人と言われる人は、自然のあるが
ままを受け入れ、人の言っていることに惑わ
されない。
 自然はすべてを受け入れるが独占せず、循
環させ、淘汰する。


○老子の読み下し文

 天下皆美の美たるを知るは、これ悪のみ。
 皆善の善たるを知るは、これ不善なり。
 故に有無は相生じ、難易は相成し、長短は
相形し、高下は相傾き、音声は相和し、前後
は相随う。
 ここを以て聖人は無為の事におり、不言の
教えを行う。
 万物おこりて辞せず、生じて有せず、なし
て恃(たの)まず、功成りて居らず。
 それただ居らず、ここを以て去らず。


○老子の原文

 天下皆知美之為美、斯悪已。
 皆知善之為善、斯不善已。
 故有無相生、難易相成、長短相形、
 高下相傾、音声相和、前後相随。
 是以聖人処無為之事、行不言之教。
 万物作焉而不辞、生而不有、
 為而不恃、功成而弗居。
 夫唯弗居、是以不去。

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