2013年5月20日月曜日

はじめに

 中国の古典で有名なものに「孫子」がある。
 孫子は、戦国乱世を生き抜く知恵を書き記
した兵法書だが、今でもビジネス書に混じっ
て解説本が何冊も出版されるほど、会社経営
のバイブル的存在になっている。ただし、私
が「逆境に勝つ孫子」に書いたように間違っ
た解釈の孫子であり、実践で使うと逆に損害
がでるので注意する必要がある。

 孫子と同じぐらい示唆にとんだ古典が「老
子」なのだが、どの解説書を読んでも精神的
なことしか書かれておらず、理解し難く、孫
子ほどの注目はない。

 では孫子と老子では何が違うのか?

 孫子は、具体的な内容が書かれているいわ
ば道具。それに比べ、老子は抽象的な内容が
書かれている材料のようなものだ。
 だから老子の解説書を読んだだけでは、ど
う応用すればいいのか分からず、役に立たな
いのだ。

 道具はすぐに使えて便利だが、使う人が道
具にあわせなければならず、道具に慣れる必
要がある。
 材料は自分で道具にしなければならないが、
どんな道具でも作ることができ、自分にあっ
た道具にすることができる。
 そこで、老子という材料を道具として解釈
してみた。
 すると呪術のような強大な力を秘めている
ことが分かった。ただし、呪術といっても呪
いのまじないではなく、自然の力を利用して
役に立てようとするシャーマニズム(シャマ
ニズム)のようなものだ。

 ここに書いた道具を利用するのもよいし、
参考にして自分の知識や経験をもとに、自分
にあった道具を作れるようになれば、自然の
力を味方につけて、孫子以上に役立てること
ができるようになるだろう。
 推理小説の暗号を解くのに似て、頭の体操
にもなる。

 では始めよう。

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